最近、「嫌われる勇気」っていう本を読んだんだけど、トラウマって本当にないの?
僕なりの意見を述べるね。
おはこんばんにちは!ノボルです。
あなたは、「嫌われる勇気」という本を読んだことがありますか?
まだ読んだことがないという方は、以下の記事で解説したので、よかったらご参照ください↓
本書では、「トラウマなど存在しない」と述べられており、初めて読んだ人の多くが抵抗を感じたと思います。僕も同じように反発心を抱きました。
今回は、そんな「トラウマは存在するのか?」という問いに対する僕なりの意見を述べていきます。
・過去のトラウマに苦しんでいる人
・嫌われる勇気についてもっと理解を深めたい人
・アドラー心理学に興味がある人
トラウマは存在するの?しないの?
「トラウマ」に実体はない
結論から言うと、あくまでも僕の意見ですが、トラウマは客観的には存在しません。
なぜなら、トラウマとは、実体のない主観的な思い込みだからです。
「そんなこと言ったって、現実問題、自分はトラウマを抱えて苦しんでいるんだ!」
そう思う方もいると思います。
ただ、それって本当は、
「トラウマがある“と思っている”」
ではないですか?
たとえば、「小さい頃に親に殴られた」という経験があったとして、その経験が必ずしもトラウマになるとは限りません。
家庭内暴力などは、しばしばトラウマと結びつけられますが、人によってはその過去を乗り越えて今を生きている人もいます。
・実体のないトラウマに苦しみ続ける人
・過去の不幸な出来事を乗り越えられる人
この2人の違いは何なんでしょうか?
僕は「過去と現在を分離できるかどうか」だと思います。なぜなら、トラウマ=過去の遺物であり、今ここに存在するものではないからです。
もし今あなたがトラウマに苦しんでいるとしたら、自分にこう質問してみてください。
「トラウマはこの瞬間に存在するのかな? それとも、辛い過去を思い出して、存在すると”思っているだけ”なのかな?」
じっくり自分の思考を観察してみると、答えが見つかると思います。
トラウマとは記憶であり、思い出したときだけ蘇ってくるのです。
他のことを考えているとき、何かに夢中になっているとき、ぐっすり眠っているとき、幸せな気分なとき、トラウマは存在しないですよね。
アドラーはこう言っています。
「人は、現在の不幸を説明するという目的のために、トラウマという原因を作り出している」
この言葉を受け止めるのは、本当に難しいと思います。怒りが湧いてくることもあるでしょう。
ですが、何度も何度も自分を観察していくと、この言葉が真実だと気づくはずです。
私たちは、幸せに原因を求めないのに、不幸には原因を求めるのです。不幸の理由づけこそがトラウマの正体である、と僕は思っています。
幸せな気持ちのとき、
「小学校の頃にAくんが発したあの言葉のおかげで、今の自分は幸せなんだ!」
なんて思ったりしないですよね。笑
でも、不幸な気分になったとたん、
「あの時、Bくんにいじめられたから、今の自分は不幸なんだ…」
みたいに過去の思い出が蘇ってきませんか?
それは、「不幸には原因があって欲しい」という私たちの願望が根底にあるからです。つまり、自分のせいで自分が今不幸であるということを認められないのです。あるいは、過去の辛い思い出のことばかりを考え、この瞬間に目を向けていないということです。
もちろん、トラウマに実体がないとはいえ、多くの人が苦しんでいるのは事実だと思います。僕も昔の体験を思い出して苦しくなるときが多々あります。
「トラウマに実体はないとしても、自分は苦しんでるんだ!」
そう感じるでしょう。そこで、僕はこういう風に考えるべきだと思います。
「トラウマは存在しないが、私は今この瞬間不幸である」
過ぎてしまった過去を変えることはできません。確かに、私たちは辛い経験をしたかもしれません。でも、その経験は過去の話であって、現在の不幸とは別物です。
過去の不幸は変えられないけど、今の不幸なら変えられると思いませんか?
哲学が全てを解決してくれる訳じゃない
ここまで「なぜトラウマが存在しないのか」について話してきましたが、誤解してほしくないのは、僕はトラウマの実体性を否定しているのであって、苦しみがないとは言っていません。
苦しみはあります。ただ、その苦しみは、過去ではなく現在にあると言っているのです。
また、「アドラー心理学を理解すれば簡単に救われる」とも思っていません。なぜなら、辛い過去から現在に視点を変えるのは本当に難しいからです。
「そんなこと言ったって、昔のことばかり考えてしまう…」
「あの辛い経験が頭から離れない…」
こんな風に、トラウマは存在しないと頭で理解できたとしても、気持ちが追いつかないのは当然だと思います。
「アドラーがトラウマは存在しないと言っているんだから、トラウマはないんだ」と思ったところで、何か不幸なことがあると、すぐに「やっぱりトラウマはあるじゃないか!」と逆戻りしてしまいます。
なので、アドラー心理学を知ってすぐに自分が救われるという訳ではありません。それどころか、本当に救われるためには、長い時間がかかるはずです。特に、心に深い闇を抱えている人は、より多くの時間を必要とするでしょう。
この話を聞いて、
「だったら、アドラー心理学を知ったところで意味がないじゃないか!」
そう思うかもしれません。
でも、何もしなければ、存在しないはずのトラウマに一生苦しむことになります。過去の住民である限り、現在を変えるチャンスを掴むことはできません。
アドラーは、
「かわいそうな私でも、悪いあの人でもなく、いま何ができるかに目を向けなさい」
と言っています。
辛い過去はもう過ぎ去ってしまった。過去をどれだけ嘆いても、タイムスリップすることはできません。だから、私たちは「今ここに生きる練習」をしていく必要があると思うのです。
とはいえ、
「トラウマが存在しないのは分かったけど、何をしていいか分からない」
という人もいると思います。そんな人のために、「具体的にどんなことをしたらいいのか」について話していきます!
過去を乗り越えるために、私たちができること
何かに没頭して「不幸な私」と距離を置く
私たちが不幸なのは、「不幸な私」ばかりに目を向けているからです。
そこで、何でもいいので、自分の好きなことや興味があることに没頭して、「私自身」を忘れましょう。
ホントに些細なことでもいいのです。
・音楽を聴きながら部屋を掃除する
・スポーツに熱中する
・ボランティアをする
・勉強や仕事に没頭する
・庭の植木を剪定する
・好きな漫画を読みまくる
自分を忘れて取り組めることであれば、何でもいいのです。僕の場合、落ち込んだ時は、大好きなアニメ「銀魂」をずっと見ています。笑
あなたも、暗い気分になったとき、何かに熱中してみてください。きっと気持ちがスッキリするはずです。
もちろん、ふと我に帰った時にまた気持ちが暗くなることもあるでしょう。それでいいんです。むしろ、簡単にラクになれたら誰も苦労しません。
なので、何かに没頭する時間を増やしてみてください。あなたの興味関心は、あなたにとっての薬になります。「喜び」が増えれば増えるほど、あなたの気持ちは浄化されていき、過去ではなく現在を見ることができるようになります。
たとえ長い時間がかかったとしても、「喜び」を増やしていくことで、自分が少しずつ過去から解放されていくのを感じることができると思います。
アドラーは、空虚な理想論としてトラウマが存在しないと言ったのではなく、人間の可能性を信じていたからこそ、今を生きて欲しいと言ったのだと思います。
同じ境遇の人と繋がる
深く理解し合える人と出会うことは、大きな喜びをもたらします。
とはいえ、そういう人とはなかなか出会えないかもしれません。仮に信頼できる人が見つかっても、なかなか心が開けないということもあるでしょう。
だから、無理に心を開く必要はないと思います。ちょっとずつでいいのです。
色々な人と関わる中で、もし心を許せると思える人に出会ったときには、そのことに感謝し、徐々に自分の気持ちを打ち明けていくといいでしょう。
一人でも理解し合える人がいるだけで、本当に救われると思います。
ただ、理解して欲しいと相手に求めすぎるのは注意です。相手には相手の気持ちや事情があるので、自分の気持ちを一方的に押し付けてしまうと、関係が破綻してまい、結果的に心の傷が増えてしまう可能性もあります。
なので、相手の気持ちにもしっかりと耳を傾けながら、互いに理解し合うことを意識するといいと思います。
「考える」ではなく「感じる」「在る」
「何かに熱中したり、理解し合える人と出会うことで気持ちがラクになる」と言いましたが、それらが上手くいかないときもあるかもしません。
そういう時にオススメなのが、
「考える」ことを止めて「感じる/在る」
という方法です。
というのも、私たちが不幸に感じるのは、大体「考えすぎている」からなんですよね。
・昔の不幸について考えすぎる
・昨日誰かから言われたことについて考えすぎる
・将来のことについて心配しすぎる
頭でっかちになっている時って、苦しくないですか?
「冷静に熟考する力」は大事だと思いますが、「考えすぎる」のは心身にとって強いストレスとなります。
なので、もし自分が考えすぎているなと思ったら、
・ハートで感じる
・ただ在る
を意識してみると、気持ちがラクになります。
たとえば、
・庭に咲いている花の美しさに感動する
・映画を見て涙を流す
・家族や周りの人に感謝する
・自分をありのまま見つめる
といったことです。頭のことは忘れて、抑圧していた心を開いてあげるのです。
特に、自分が思考や感情でいっぱいになって苦しいときは、何もせず自分を見つめてみましょう。
その際、
「自分はなんてダメなんだろう」
「どうすればいいんだろう」
などと考えずに、ただあるがままの自分自身を見つめるのです。
「ああ、自分は今こんな気持ちなんだなぁ」
といった風に、何の判断もせず、あたかも遠くにいる人を見ているかのように、自分と距離を置くのです。そうすることによって、思考や感情が落ち着き、自然とリラックスできるはずです。
シンプルな方法ですが、どこでもできるのでオススメですよ。
最後に
今回の記事では、アドラー心理学の「トラウマは存在しない」という教えに対する僕の意見を述べました。
この記事を読んでいて、
「ただの理想論だろ」
「そんな簡単にいかない」
と感じることもあったかもしれませんが、少しでもあなたの参考になったのなら幸いです。
過去を乗り越えるのは容易ではありません。10年、20年、あるいはもっとかかるかもしれません。それでも、今この瞬間を見続けることによって、徐々に過去から抜け出せる可能性はあると僕は思っています。
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