【読書】本当の幸せとは?アドラー心理学の古典『嫌われる勇気』をわかりやすく解説!

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おはこんばんにちは!ノボル(@Veritas40835638)です。


突然ですが、みなさんは「アドラー心理学」という言葉を聞いたことはありますか?日本では、ここ数年でその名前が広く知られるようになりましたが、まだまだ知らないという方もいると思います。

アドラー心理学(正式には個人心理学)とは、オーストリア出身の精神科医・心理学者・社会理論家であるアルフレッド・アドラー(1870-1937)が確立した心理学です。

アドラーは、フロイトユングと並び【心理学の3大巨頭】と称されるほどの人物で、日本ではフロイトやユングの方が知名度が高いですが、欧米ではアドラー心理学は絶大な支持を得ています。

今回ご紹介する書籍は、アドラー心理学の新しい古典といわれる名著【嫌われる勇気】(岸見一郎、 古賀史健共著)です。僕は大学2年生の時(2018年11月)にこの本と出会い、「人はどうすれば幸せに生きることができるか」という人間の苦悩に対し、極めて具体的かつ明快な答えを示すアドラー心理学に衝撃を受けました。それ以来、僕はその真理に到達するため今も毎日アドラー心理学関連の本を読んでいます。

この記事では、読む人の人生を一変しうるほどの力を持つ本「嫌われる勇気」の内容について分かりやすく解説します。本書は、アドラー心理学の思想を青年と哲人の対話という物語形式で紹介した本です。

深刻な人生の悩みを抱えた青年が、アドラー心理学の哲人と徹底議論しながら自らを理解していくという流れになっていて、非常に読みやすいです。


トラウマを否定せよ

僕にはいきなり衝撃的だったんですが、アドラー心理学では、トラウマを明確に否定します。

多くの人は、現在の不幸は過去に心に負った傷(トラウマ)が原因だと考える。

例: イジメが原因で学校に行けなくなった生徒。

昔イジメられたから学校に行けないというのはよくある話ですね。
一見筋が通っているように見えます。しかし、アドラーはそういった原因論では一歩も前に進めず、目的論で考えるべきだといいます。

原因論: 現在の自分は、過去の出来事によって決まる
目的論: 目的の自分は、今果たしたい目的によって決まる

原因論に立つならば、昔イジメられたというトラウマが原因で、今学校に行くことができないという解釈になります。しかし、この考え方には大きな問題が孕んでいます。それは、トラウマを起点に考えている限り、一生変えることのできない過去に囚われてしまうということです。

一方、目的論では、イジメが原因で学校に行けないのではなく、今学校に行きたくないから、その言い訳として昔のイジメ体験を持ち出している、と解釈します。原因ではなく目的を起点に考えるのが原因論と目的論の違いです。

この目的論という考え方は、なかなか理解し受け止めるのが難しいです。僕自身、最初はかなり抵抗を感じました。トラウマを否定するというのは、今まで言い訳をしていた自分を否定することでもあるので反発してしまうのです。しかし、この原因論→目的論のシフトは幸せになるためには避けて通れません。

毎日のようにリアルやSNSで様々な言動が見られますが、それらを観察してみると、原因論・目的論のどちらかに分類できるものが多いとわかります。

原因論の例

・自分に自信がないから家に引きこもっている

・昨日上司があんな発言をしたから、機嫌が悪い

・親がちゃんと育ててくれなかったから今自分は不幸なんだ

上の例を目的論に変換すると、こうなります。

目的論に変換

・家から出るのが怖くて、自信のなさを言い訳にしている

・怒りは自分の中にあるのに、上司を言い訳にしている

・親のせいで不幸ではなく、今不幸なだけ

いかなる経験(トラウマ)もそれ自体は成功・失敗の原因にならず、その経験の中から私たちは目的にかなうものを見つけ出しているんです

つまり、自分の経験よって決定されるのではなく(原因論)、経験に与える意味によって自らを決定するのです。(目的論)

イジメを受けたという事実があったとしても、それを言い訳に使うのか、教訓として水に流せるかは、私たちの選択にかかっています。

客観的事実(過去)は変えることができませんが、その事実をどう解釈するかは自由に選ぶことができます。

ポイント

・幸せになるためには、原因論から目的論にシフトしなければならない

・どれだけ嘆いても、過去を変えることができない

・いかなる経験も、それに与える意味によって良くも悪くもなる


全ての悩みは人間関係

アドラーは、あらゆる悩みは人間関係であるといっています。

例: 「自分が嫌い」という悩み

本書に出てくる青年は、自分のことが大嫌いで、短所しか見つからず、
自分を好きになる理由がないという悩みに苦しんでいます。

そんな青年に対し、哲人はこう指摘します。

君は、自己評価が著しく低い。

それは君が「自分を好きにならないでおこう」と自ら決心しているから。

自分を好きにならないという目的を達成するために、
長所を見ず短所だけに注目している。

なぜ自分を好きにならないでおこうとしているのか?

それは、他者から否定されるのが怖いから。

誰かから小馬鹿にされ、拒絶され、心に深い傷を負うことを恐れているから。
そんな事態に巻き込まれるくらいなら、
最初から誰とも関わりを持たないほうがいい。

では、どうやってその目的を叶えるのか?

自分の短所を見つけ、自分のことを嫌いになり、
対人関係に踏み出さない人間になってしまえばいい


つまり、自分を好きになれないのは、人と関わり傷つくのが怖いからだということです。自分に内在しているように見える悩みも、実は人間関係と繋がっているのです。

個人だけで完結する内面の悩みは存在せず、どんな種類の悩みであれ、必ず他者の影が介在すと哲人は言います。孤独を感じるにも私たちは他者を必要とするんですね…。

他にも、例えば紙幣やダイヤモンドの価値であっても、ひとつのコモンセンスであり、
世界に誰もいなければ、ただの紙切れと石ころです。価値の問題も最終的には人間関係に還元されていくのです。

そして、あらゆる人間関係の悩みの根幹には、「他者を敵だと認識している」という世界観(ライフスタイルともいいます)が関係しています。他者を敵だと思ってしまうと、人が信頼できず、本音を言うこともできず、関わって傷つくのが怖くなります。

では、なぜ他者を仲間ではなく、敵と思ってしまうのか?
それは「人生のタスク」から逃げているからだと、アドラーは言っています。

人生のタスク

1. 仕事のタスク: 距離や深さという観点からもっともハードルが低く、他人の関係に戻れる

2. 交友のタスク: 強制力の働かない、踏み出すのが難しい関係

3. 愛のタスク: 恋愛関係や家族関係といった深い関係束縛してしまうと破綻する

アドラーは、言い訳を並べて人生のタスクを回避することを「人生の嘘」と呼びました。生まれた育つ環境や親兄弟を選ぶことはできませんが、今のライフスタイル(人生のあり方)を決めたのは、他の誰でもない自分自身であるからです。

そして、勇気を出して人生のタスクを乗り越えていくことで、私たちは、人間の行動面と心理面の目標を達成できるとアドラーは言います。

行動面の目標

1. 自立すること

2. 社会と調和して暮らせること

心理面の目標

1. わたしには能力がある、という意識

2. 人々はわたしの仲間である、という意識

ポイント

・全ての悩みは人間関係である

・自分を好きになれないのは、人と関わり傷つくのが怖いから

・人生のタスクには、仕事・交友・愛のタスクがある

・人生のタスクを乗り越えることで、人間の行動面と心理面の目標を達成できる


他者の課題を切り捨てる

全ての悩みは人間関係であると説明しましたが、
その悩みを解消するにはどうすればいいのでしょうか?

この問いに対し、アドラーは「課題の分離」をすることを勧めています。

課題の分離: 「これは誰が考えるべき課題なのか?」という視点から、自分に課題と他者の課題を分離していくこと。

筆者は、例えとして「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」という諺を引用しています。

水辺まで連れていくのは自分の課題であっても、実際に水を飲むかは相手が決めることであり、自分が干渉することではない、ということ。

あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むことによって引き起こされると言われています。距離の近い家族や友人だからこそ、もっと意識的に課題を分離していく必要があります。

信じるという行為もまた、課題の分離が必要です
相手のことを信じること。これは自分の課題ですが、相手が期待や信頼に対してどう動くかは他者の課題です。

そこの線引きをしないままに自分の希望を押しつけると、「信じる」から「介入」に変わってしまう。

ポイント

・課題の分離をする

・相手が決めることに干渉しない


縦ではなく横の関係を築く

アドラー心理学では あらゆる「 縦の関係」を否定し、 
すべての対人関係を「横の関係」とすることを提唱しています。

例: 専業主婦を罵る男性

専業主婦に対して、「なんお稼ぎもないくせに」とか「誰のおかげで飯が食えると思っているんだ」と言う人がいますが、これも典型的な縦の関係であり、経済的に優位かどうかなど 人間的な価値にはまったく関係ない、と哲人は言います。

会社員と専業主婦は、働いている場所や役割が違うだけで、 
まさに「 同じではないけれど対等」です。

劣等感は、縦の関係の中から生じてくる意識です。
介入もまた、対人関係を縦でとらえ、相手を自分より低く見ているからこそ起きてしまいます。

大切なのは、他者を「評価」せず、対等な横の関係を築いていくことです。
そうすれば、素直な感謝や尊敬、喜びの言葉が出てくる。

ポイント

・相手の外見・性格・能力・社会的立場に関わらず横の関係を築く

・そのために、相手と対等に接し、感謝する


対人関係のゴールは、「共同体感覚」

アドラー心理学は、最初から最後まで対人関係を問う思想です。
そして、そのゴールを「共同体感覚」としています。

共同体感覚: 他者を仲間だとみなし、そこに「自分の居場所がある」と感じられること

この共同体感覚は、アドラー心理学の鍵概念で、その評価について議論がわかれています。実際、アドラーが共同体感覚の概念を提唱したとき、多くの人々が彼のもとを去っていったと言われています。

アドラーは、自己への執着(self interest)から他者への関心(social interest)に切り替えるべきだと言っています。そのためには、課題の分離を通して承認欲求と距離を置き、自己中心的になるのをやめなければなりません。

なぜなら「わたし」にしか関心のない人は、心から人を想い、祝福することができないからです。「わたし」という人間はは世界の中心ではなく、世界という共同体の一員です。

学業・仕事・交友・恋愛や結婚などのあらゆる人間関係の全ては、「わたしはここにいてもいいのだ」と思える場所や関係を探すことに繋がっています

そしてその所属感は、ただそこにいるだけで得られるものではなく、共同体に対して自らが積極的にコミットすることによって得られる、とアドラーは言っています。言い換えるならば、人生のタスクに立ち向かうことです。

この人はわたしに何を与えてくれるのか」ではなく、
わたしはこの人に何を与えられるのか」を考えなければならない。

ポイント

・自己への関心から他者への関心へ切り替える

・与えられるのではなく、与える


「いま、ここ」を真剣に生きる

共同体感覚を持つためには何が必要なのでしょう?

アドラーは、以下の3つが必ず必要になると言っています。

共同体感覚に必要なもの

・自己受容

・他者信頼

・他者貢献

1つ目の自己受容ですが、自己肯定ではないのには、理由があります。

自己肯定は、できもしないのに「わたしはできる」と自らに暗示をかけることであり、結果として劣等感に繋がってしまいます

一方、自己受容とは、「ありのまま」の自分を受け入れ、できるようになるべく前に進んでいくことです。

2つ目の他者信頼とは、他者を信じるにあたって、いっさの条件をつけないことです。
信じた結果、裏切られるかもしれません。しかし、裏切るか裏切らないのかは、他者の課題です。あなたはただ「わたしがどうするか」だけを考えればいいのです。「相手が裏切らないのなら、わたしも与えましょう」というのは、担保や条件に基づく信用の関係でしかないのですから。

信頼することを怖れていたら、結局誰とも深い関係を築くことができないのです。

3つ目の他者貢献は、「わたし」を捨てて誰かに尽くすという意味ではなく、「わたし」の価値を実感するための行為です。例えば、いつも皿洗いをしているのに「ありがとう」と言ってくれなかったとしても、「わたしは他者に貢献している」という貢献感を持つことができれば、目の前の現実はまったく違った色を帯びていくでしょう。


ありのままの自分を受け入れる、つまり「自己受容」するからこそ、裏切りを怖れることなく「他者信頼」することができる。そして、他者に無条件の信頼を寄せて、人々は自分の仲間だと思えているからこそ、「他者貢献」することができる。さらには、他者に貢献するからこそ、「わたしは誰かの役に立っている」と実感し、ありのままの自分を受け入れ、「自己受容」することができる….

自己受容他者信頼他者貢献は、1つとして欠かすことのできない、円環構造として結びついています。

そして、この3つを達成していく上で、人生の計画は必要か不必要かという以前に、不可能だと哲人は言います。なぜなら、「人生とは、いまこの瞬間をくるんくるんとダンスをするように生きる、連続する刹那」だからです。

・この先どこにたどり着くのか
・あの時の選択は正しかったのか

など考える必要はなく、ダンスを踊っている「いま、ここ」が充実していれば、それでいいとアドラーは言っています。

「いま、ここ」を真剣に生きていたら、過去や未来に執着することはなくなり、自分らしい人生を送ることができるというのが結論です。

ポイント

・自己受容・他者信頼・他者貢献=「ここにいていい」という共同体感覚

・いまこの瞬間だけを真剣に生きる


最後に

今回は、アドラー心理学の古典「嫌われる勇気」の内容について解説しました。
僕は、2018年の冬に本書を買ったのをきっかけで、アドラー心理学を知りました。そして、その思想に深く感動し、パッと世界がクリアになったような感覚になったのを覚えています。それから、人生を一変しうるアドラーの思想に到達するために、少しずつ実践しています。それだけの価値がアドラー心理学にはあると思います。

もし皆さんがこの記事を通して、少しでもアドラー心理学の雰囲気を理解してもらえたら幸いです!

アドラー心理学をもっと深く知りたいという方は、実際に本書を手に取って読んでみてはいかがでしょうか?

最後まで読んで頂きありがとうございました(o^^o)

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