おはこんばんにちは!ノボルです。
最近、職場の人間関係で悩んでるんだよね・・・。
人間関係の悩みから解放されるためには、『課題の分離』という考え方がすごく参考になるよ。さっそく説明するね!
誰だって、人間関係の悩みを1つや2つ持っていますよね。
・友達との関係が上手くいかない
・職場の上司と合わず、険悪になっている
・夫や妻と喧嘩ばかりしている
・子供がいうことを聞いてくれなくて、いつも叱ってばかり
…etc
この記事を書いている僕も例外ではなく、家族や友人との人間関係で悩んできました。
そして、「どうすれば対人関係の悩みから解放されるのか?」と模索してきた結果、アドラー心理学と出会いました。
アドラー心理学は、世界を一変しうる力を持った思想だと、僕は思っています。中でも、『課題の分離』という考え方は、人間関係のあり方に大きなヒントを与えてくれます。
そこで今回は、人間関係の悩みと向き合う際に役立つ、アドラー心理学の『課題の分離』という考え方について解説します。
・職場や学校の人間関係で苦しんでいる
・親や子供との関係が上手くいかない
・人間関係の悩みから救われる方法を知りたい
アドラー心理学とは?
参考までに、「課題の分離」について説明する前に、アドラー心理学について軽く触れたいと思います。
アドラー心理学(正式には個人心理学)とは、オーストリア出身の精神科医・心理学者・社会理論家であるアルフレッド・アドラー(1870-1937)が確立した心理学です。
アドラーは、フロイトやユングと並び【心理学の3大巨頭】と称されるほどの人物で、日本ではフロイトやユングの方が知名度が高いですが、欧米ではアドラー心理学は絶大な支持を得ています。
「人はどうすれば幸せに生きることができるのか?」という人間の苦悩に対し、アドラーは極めて具体的かつ明快な答えを示しています。そして、その思想は世界中に広がっていき、今日多くの人々に支持されるようになりました。
アドラー心理学の教え『課題の分離』とは?
さっそく、アドラー心理学の重要な考え方である「課題の分離」について解説していきます。
課題の分離とは、一言でいうと、 「これは誰が考えるべき課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題を分離していくことを指します。
「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」という諺があります。
これは、水辺まで連れていくのは自分の課題であっても、実際に水を飲むかは相手が決めることであり、自分が干渉することではない、ということを意味しています。
まさに課題の分離です。
相手がどうするかは、相手が決めることだという意味です。
そして、自分の課題と他者の課題を分離しようとしたら、その間に線引きをする必要がありますよね。
線引きの方法は、シンプルです。
「その課題について最終的な責任を負うのは誰か?」
を基準にしてください。
(例) 何を言っても子供が勉強してくれないという悩み。
よくきく悩みですよね。親が子供の将来を思って勉強させようとしても、子供が頑張ってくれない。
この例に「課題の分離」を当てはめてみましょう。線引きの基準は、「その課題について最終的な責任を負うのは誰か?」でしたね。
子供が勉強しなかった結果、最終的な責任を負うのは誰でしょうか?
子供自身です。
なので、親は「勉強するかどうか」という子供の課題に干渉してはいけません。
もし子供が勉強を怠った結果受験に失敗し、最終的にニートになったとしても、それは子供が負うべき責任であり、親が強制的になんとかしようとしてはいけないのです。
では、なぜ他者の課題に干渉してはいけないのか、説明していきます。
なぜ『課題の分離』が必要なのか?
なぜ他者の課題に干渉してはいけないのでしょうか?
この記事を読んでいるあなたも、少し考えてみてください。
先ほどの親子の例で、考えてみましょう。
親は、子供のためにと思って、高額な学習塾に通わせたり、偏差値の高い学校や給料のいい会社に入るよう、うるさく言います。
できる限りのことをしてあげるのが、親というものだと思いますし、それ自体は愛情からくる行動なのでしょう。
しかし、一度、子供の立場に立って考えてみましょう。
頼んでもいないのに、一方的に塾に行かされたり、進路を決められる。自発的に何かやりたいと思っても、そんなことはしなくていいから勉強をしなさい、と言われる。
親が決めた「あるべき姿」を押しつけられるうちに、子供はこう思うようになるでしょう。
「自分は親に信頼されていないんだな」
そして、親がなんとかしてくれるなら、自分で考えて決断しなくてもいいや、というライフスタイル(世界観)を持ってしまうでしょう。
結果的に、「親の期待」を満たすためだけに生きるという、不自由な人生を選択してしまい、精神的自立からも遠ざかってしまいます。
アドラーは、尊敬なきところに愛は育まれない、といっています。
子供の課題に土足で踏み込んではならない。そして、「こちらにはいつでもあなたを援助する気持ちがあるよ」というシグナルを発し続ける。そのとき、子供は大きな勇気を得て、一歩を踏み出すだろう、とアドラーはいっています。
親子関係の例を用いて、なぜ課題の分離が必要なのか説明しましたが、友人関係や仕事関係など、あらゆる関係に当てはまるといえます。
・精神的自立を阻害する
・対等な関係を築くことができない
・承認欲求に支配される
あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むことによって引き起こされる、とアドラーはいっています。
距離の近い家族や友人だからこそ、もっと意識的に課題を分離していく必要があります。
自分の課題と相手の課題の間に線引きをしないまま、自分の希望を押しつけると、相手は苦痛を感じ、その関係は破綻に向かっていくことになります。
ここまで読んで、ひょっとしたら「課題の分離って何だか冷たい感じがする」と思ったかもしれません。
しかし、課題を分離をしなければ、いつまでも周りの目を気にし、他者の期待や承認欲求に縛られたまま生きていくことになります。
「課題の分離」は、冷たい関係ではなく、涼しい関係なのです。
実際問題、『課題の分離』をするのは無理?
人間関係の悩みから解放されるためには、『課題の分離』をする必要がある。
また、自分の課題と他者の課題を線引きする基準は、「その課題について最終的な責任を負うのは誰か?」でした。
他者の課題を切り捨て、自らの課題に集中する。そして、相手から援助を求められた時は、できる限りのことをする。
考え方としては、理想的だと思います。
ところが、頭ではわかっても、実際に課題の分離するのは難しいです。
特に、不遇な家庭環境で育った人は、他者を信頼することができず、依存的なライフスタイル(世界観)を抱く傾向があるので、課題の分離がなかなかできません。
僕にはその気持ちが、本当に分かります。
簡単にいうと、人の目が気になってしょうがないのです。
周りの目がとにかく気になり、人に合わせてしまう。結果、うまく素直になれず、人間関係に疲弊し、いつしか人を避けるようになる。
合わせる→疲れる→合わせる→疲れる…と繰り返していくうちに、人と深い関係を築くのを恐れるようになる。
しかし、課題の分離はその逆です。周りの目を気にせず、自らの本心に従うという考え方です。
なので、周りに合わせてきた人からすると、課題の分離は痛みを伴います。
「本心を言ったら、嫌われるかもしれない…」
「自分の周りから人が離れていくのが怖い…」
しかし、「勇気」を持ってその不安を乗り越えれば、深い信頼に基づいた人間関係を築くことができる、とアドラーはいっています。
「家庭環境」でも「才能」でもなく、『勇気を持てるかどうか』で人は変わることができるのです。アドラーの言葉からは、人の持つ可能性に対する深い尊敬を感じます。
ですが、いきなり「勇気」を出すのは難しいのもよく分かります。
「アドラー心理学の考え方は理想的だけど、実際問題そんなに現実は甘くない」
そう思われる方もいるでしょう。
この記事を読んでくれているということは、あなたも何かしらの悩みを抱えているのだと思います。
ただ、僕はこの記事を通して、あなたに全ての人を信頼して心を開いてほしいと言ってるわけではありません。
最初は、小さいことからでいいのです。
仲のいい友達や信頼できる人にちょっと心を開くだけでも、救われた気持ちになります。
気持ちを口に出すのが怖いという場合でも、心の中で相手のことを信頼していると思うことで、自分の惨めさや苦しさが和らぐことがあります。
世界は、あなたの敵ではありません。
もちろん、あなたに攻撃してくる人も少なからずいるでしょう。しかし、友好的な人もたくさんいます。
自分に対して攻撃的な一部の人だけに囚われて、世界全体を評価してしまうのはもったいないと僕は思います。
仮に99人に嫌われたとしても、リラックスして語り合える友人が1人いるだけで、幸福感は全く変わるはずです。
僕は、この記事を読んでくれているあなたのことを知りませんが、これも一つの交流だと思っています。間接的とはいえ、あなたと繋がることができて嬉しいです。ありがとう!
関連書籍
この記事を読んで、アドラー心理学に興味を持ったという方は、ぜひ『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』を読むことをオススメします。
今回紹介した「課題の分離」に加え、アドラー心理学の教えについて、対話形式でわかりやすく説明されています。
最後に
今回の記事では、アドラー心理学の教えである「課題の分離」という考え方について解説しました。
人間関係の悩みは、人それぞれだと思います。しかし、根底には「周りに合わせてしまって本音を言えない」とか「人に嫌われることを恐れている」といった心理が共通して存在するのだと思います。
この記事の内容が少しでもあなたの参考になったら、嬉しいです!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました(o^^o)
『世界が複雑なのではなく、ひとえにあなたが世界を複雑なものとしているのです』
アルフレッド・アドラー
参考文献:
・岸見 一郎, 古賀 史健 (2013) 嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え ダイヤモンド社
・岸見 一郎,古賀 史健 (2016) 幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII ダイヤモンド社
・岸見 一郎 (2017) アドラーをじっくり読む 中央公論新社
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